無限という概念は、私たちの常識では理解しにくく、考え方の限界を広げるものだ。1920年代、ドイツの数学者ダフィッド・ヒルベルトは、無限がもたらす不思議な性質を示すために、「ヒルベルトの無限ホテル」という思考実験を考案した。
無限の部屋を持つホテルがあれば、新しい客をいくらでも受け入れられるように思える。しかし、ヒルベルトの例では、すべての部屋が埋まっていても、新しい客を迎え入れる方法があることが示される。これは直感に反する不思議な現象だ。
この実験は、数の本質について重要な問いを投げかける。無限は本当に「いっぱい」になることがないのか? もし無限がどこまでも広がるとしたら、より大きな無限が存在するということなのか?
ヒルベルトの無限ホテルが教えてくれる無限の不思議を、このギャラリーでぜひ確かめていただきたい。